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 エアコンのスイッチを入れる。暑い。
 こんなんであいつを迎えたら、何言われるかわかったもんじゃない。

 2年ぶりに、あたしのアパートに達樹が遊びに来るという。仕事も休みでやることもないから、一緒に飲むか、って言ってた。
 達樹は漁師の長男。だから家を継ぐってんで、家の漁の手伝いなんかをしてる。めったに休みなんかないはずだし、休みなら普通彼女さんに会いに行くでしょうに。
 どうしたんだろ?
 そう思いながらも、あたしは夕食の準備をしていた。達樹が「奈津の作った飯食いてぇ」とか言い出したから。今日はいつもみたく手抜きじゃなく、ちゃんとしたの作らなきゃな、とか思って。達樹の喜ぶ顔が見たいから。

 あたしと達樹は、高校時代からの親友。彼氏の友達で、一度会っただけですっかり仲良くなってしまった。それからもたまに彼氏と3人で会ったり、彼氏のこと相談したりとかして。達樹は達樹で、自分の彼女のこと相談してくれたり。
 高3の夏休み以来ずっと会わないでいたんだけど、自動車学校でたまたま一緒になって。そこでずっと一緒にいたのがいけなかったのかもしれない。

 達樹のこと、好きになったから。

 結局こっぴどく振られたんだけど、
「奈津がこれからいいほうに変わったら考えておく」なんて意味深なこと言うし。
 一人暮らし決まったこというと、「泊まりに行くけど、何するかわかんないよ〜」って。
 慌てたら「試しただけだよ」って言ってくる。
 言ってみれば、あたしはやつに振り回されっぱなし、ってこと。
 美穂さんっていうかわいい彼女さんいるのに、いいのか?とか思うけど。そういえば別れるかも、って言ってたなぁ。あんまりその話題出されたくないみたいだったけど。

「そうだ、裕也どうしてる?」
 食事も終わったところで、あたしが缶チューハイを開けると、達樹がそう切り出した。
「元気だよ〜5月の連休に会ってきたもん」
「ふ〜ん、会ってきたんだ」
 う、何よその妙に意味ありげな口調は?まぁ達樹がエロいのはもともと知ってるけどさぁ。何そんな想像(妄想とも言うが)膨らましてるわけ?
「なんかした?」
「いや、ヤッたの?」
「は!?」
「だからヤッたのか、って」
 あー……やっぱり、そっちでしたか。
「……そりゃしたよ……一晩泊まってきたんだから」
 ココで答えるあたしもあたしだけど、まぁ相手は達樹だ、いつもどおりにしてるだけ。あたしが最初に奴に相談したのがそういうことに関してだから。
「ふ〜ん……裕也ちゃんとイッた?」
 さすがにこれには缶チューハイを吹き出しそうになってしまう。
「そういうこと女の子に聞かないもんでしょうが!」
「いや、前言ってたっしょ」
 そういえば前、達樹に裕也をイカせられないって相談したっけ。
「……」
「もしかして、またダメだった?」
「……そんなとこ。結局ケンカ別れしちゃった」
 一つため息をつくと、アルコールのにおい。
「は!?何それ」
「だから別れたの。連休中に。なんだろ、あたしってそんなへたくそなのかなぁ。魅力ないのかな〜」
「それ関係ないんじゃないの」
 達樹はそう言ってくれるけど、あたしの不満がそう簡単に収まるわけもない。
「あるよ絶対。だってもう何年も付き合ってたんだよ?それでもイカないってさ〜絶対あたしおかしいからだよ。やせよっかな」
「なぁ」
 あたしを制止するように達樹が声をかけてくる。
「お前どういう風にしてるの?」
 いつものあたしなら絶対答えないだろう。でも、お酒も回ってきたし、すらすらと、いつものような口調で答えてしまう。
「ん、だいたい前教えてもらったとおりだけど、あたしなりにいろいろ試してみたんだ。最初はその〜……唇で先っぽだけ咥えて吸い上げながら舐める感じで。それからだんだん口に入れていって、……けっこう奥のほうまで咥えちゃうかな、なんかのどの奥に当たって気持ちいいんだって。それから」
 達樹はあたしの話をめっちゃくちゃマジメな顔して聞いてる。
 達樹の頭の中で、あたしが言ってることが実際に思い描かれているのかな。だとしたら、……どうしよう。 「ふ〜ん、お前結構頑張ってるんだけどなぁ」
 でも反応はいたって普通だったから、一安心。
「じゃあ、挿れてからは?」
「そうだな〜別段変なことはしてないよ。でもこれバラすとアレだから言わない」
「つまんね〜」
「裕也しか知らないもん」
「まぁな。……なぁ、お前やっぱり裕也じゃなきゃ嫌だったりすんの?」
 ぎく。
 いつも思うんだけど、こいつは絶対あたしの心読んでる。
 あの時はあたしから達樹のこと忘れるって言ったのに、結局まだ引きずってるのを嗅ぎ付けてるに違いない。こいつはそういう男だ。
「ん……たま〜に、他の人はどんなだろって思ったりはするけど、思うだけだよ。実際に行動に移したことはないなぁ。相手もいないしさ。今となっては自由だけど」
「そういうもんじゃね?一人しか知らないってのもつまんねぇし。 ……あ、シャワー借りていい?」
 カバンの中から着替えやなんかを出しながら達樹は言った。
「いいよ〜」
 返事をしてから、あれ?と思った。

 飲むだけじゃ、ないんだ?

 達樹がシャワーを浴びている間、あたしは取りとめもない考え事をしてた。
 あいつ今シャワー浴びてるんだよね。いつもあたしが入ってる浴槽に、今日は達樹が入ってる。その様子がありありと想像できた。だってあたしは妙なところで想像力豊かだから。
 でも……なんで、これだけで、濡れちゃうんだろ。
 なんかもうさっきから、裕也との話をしてたときから、あたしの脚の間はあの独特の粘液を垂れ流してて。達樹は気づいてないと思うけど、恥ずかしいよ。

 ちゅ。

 スーツのスカートの中に手を差し込んで、下着を軽く指先でなぞる。わずかな甘い痺れと同時に感じるのは、下着にまで熱い粘液がしみ込んでしまっている感触。
 下着をずらして、熱く息づいたそこに触れてみる。さっきよりも少し強い痺れ。でも、こんなんじゃ全然足りない。

 どうにかしてよ、達樹。
 気安くは言えないでも言いたい。
 あたしの体をどうにかして止めて。叫びは心の中でとどまって、達樹に聞こえることはないけれど。

「悪ィな」
 そう言いながら出てきた達樹を出迎えて、……正直あたしは後悔した。
「あの、何その格好」
「あ?だって暑いもん」
 ……ええと、そういう問題じゃないような気が。
 だって達樹のやつってば、パンツ1枚であたしの部屋闊歩してるんだもの。上半身はもちろん裸。
 おかしいよ。絶対、おかしい。ありえない。あたし女と思われてないんじゃないの?
「そういう問題じゃないでしょ……」
 とは言うけれど、バッチリ奴の裸体が頭の中のスクリーンに残像を残してる。なんなのよ、あのギリシャの彫刻みたいな身体は。裕也にはない逞しさ、っていうのかな。ちゃんと腹筋とか割れてるし。
 高校時代はウェイトリフティングやってて、やめてから筋肉落ちた、って言ってたけど、全然そんなことない。 

 なんか、その……抱かれてみたいかも。

 なんて思った自分がすごく嫌い。
「いいだろ別に。お前が俺の前でバスタオル1枚で歩くならそれこそ問題だけど」
 一瞬そうやって達樹を誘惑するのもいいかも、って思ったけど、やめた。
 
 でもそれからも結局何もなくて、あたしも普通にお風呂に入って、寝ることにしたんだ。
 達樹はあたしのベッドの横に布団敷いて、あたしはいつもどおりベッドで。
「なぁ奈津、添い寝していい?」
 なんてこの期に及んでバカなことをいう達樹を、
「馬鹿言うんじゃないの」
 と一蹴してやる。
「ならこっち来いよ」
「は?」
「だってこっちはお前のベッドじゃないし。ダメ?」
 まったくもって妙な理屈。
「……何もしない?」
「しない」
「しょうがないなぁ」
 なんて言うけど、嬉しい。
 達樹と恋人同士みたいなこと、今しかできないから。

 もしかしたら、あたし。まだ、達樹のこと引きずってたのかもしれない。「かもしれない」じゃない。間違いない、引きずってる。引きずったまま裕也とつきあってたんだもん。振られても、しょうがない。
 
 ちょっと狭い、一人用の布団。
 達樹のにおい。裕也と似てるけど、ちょっとちがう。さすが漁師だけある、海の匂いが身体に染み付いているみたいだ。このにおい、嫌いじゃない。あたしも海の近くで生まれ育ったから。
 指先に、達樹の意外に滑らかな肌が触れた。達樹の顔が、こんなに近い。熱い息が頬をかすめてドキドキする。このドキドキが達樹に気づかれないことを祈るばかりだ。
 
 明かりを消すと同時に達樹の顔が近づいてきて。
「ん、達樹どしたの……」
 一瞬で、唇を奪われた。
 
 何が起こったのかわからずに、達樹に目を向ける。
 目が慣れて、目が合ったのがわかったときには、時既に遅し、というもので。達樹に押し倒されてた。
「ちょっ……何もしないんじゃなかったの?」

「あのさぁ……お前俺のこと男だって思ってないだろ」
「思ってるよ、でも……っん」
 唇を奴の唇で塞がれる。抱きしめる力の強さに、達樹の、というか男性特有のあのにおいにくらくらする。でも、だめ、このままじゃ……恥ずかしい。
「あの、待って……ここじゃだめ」
「え?」
「隣とかに、声、聞こえちゃうよ」
 達樹が暗闇の向こう、ニヤリと笑う。
「場所変えればいいの?」
「……うん」
「なら、行くか」
 達樹があたしを抱き上げて、明かりをつける。どこに行くか?そんなの、もちろん決まってる。

 二人きりになれる場所。

 ホテルの部屋を選ぶ仕草もすっかり慣れた感じ。そういえば彼女さんとのデートは大抵こういうところだったみたい。彼女さん、二人きりになれる静かな場所がいいって言ってたから。
 なんか彼女さんにものすごく嫉妬してしまいそうだ。
「なぁ。お前まだ俺のこと、好きなの?」
 まっすぐな瞳。素直になるしかなかった。
「うん。なんだかんだ言ってずっと引きずってた」
「なら先に言えよ。布団入ったときからさぁ」
 部屋の鍵を閉める。
 一瞬視線が絡み合う。
「奈津……俺さ」
 抱きしめあって。
「あんなこと言ったけど」
「……」
 言葉が出ない。
「マジ会いたかった。抱きたかった」
 荒々しく、押し倒された。追い詰められたような達樹の表情の美しいこと。
 互いに互いの服をすべて脱ぎ捨てて、改めて、今度は裸で抱き合う。
「すげぇ……柔らかい。なんかさ、ずっとこうしてたいんだけど」
 降りてきた唇に、唇で応える。でもそれだけじゃ終わらない。あたしの唇を割って、やわらかく生暖かい舌が差し込まれる。精一杯舌を絡めて応えると、恥ずかしくなるような音。
 達樹の大きな手にはあたしの胸は小さすぎるみたいだけど、あいつはそんなの気にしないでむしゃぶりつく。形が変わってしまうほど強く握られ、先っぽにくちづけられた。
「ん……ッ」
「声出さねぇの?」
「……恥ずかしいもん、達樹だから」
「裕也には泣き叫んで縋りついてたのに?」
「ひどいよ」
「それとも、足りないの?」
 言いながら、達樹はあたしの全身を優しく撫で回し、やがて脚の間の茂みで手を止めた。
「なにが……」
「ココが」
 割れ目の中に指が這う。恥ずかしいほどに溢れたそこが、これまた恥ずかしいほど大きな水音を立てる。
「やっぱり足りなかったんだ、ここ」
「何言って……ぁ」
「ココとかもうすごい膨れてるし」
 敏感な突起を濡れた指先で擦られると、自分で触ったとき以上の痺れるような快感。
「このまま挿れてもいいぐらい」
「あ、ああっ!」
 あたしの中を貫くのは達樹の指。淫らに響く音に頭が麻痺していきそう。あたしの気持ちいいところを的確に指先が捉える。そこをぐいぐいと押されるリズムに合わせて腰が揺らぐ。
「うわ……指だけなのに……キツイんだけど」
 物欲しげに達樹の指を締め付けてるのが恥ずかしいけど、こんなに気持ちいいのは初めてで。
「ねぇ、だめ……だめだよそんなぁ……っ、あ、んうぅ……」
 今度はあたしの体内を指で抉るみたいにして、容赦なくあたしを追い上げていく。もう、だめ。このままじゃあたし、絶対おかしくなる。
「イキたい?」
「あっ、あぅ……やだっ、怖いよぉ……」
 達樹の動きには全く無駄などない。いつもより高いところへ押し上げられる。イクのが怖いくらいなんて初めてで。
「怖いって、じゃあお前裕也のときどうしてたんだよ」
「だってぇ、こんないいの、初めて……」
「そう言ってもらえると光栄」
 この状況にはそぐわない随分と楽しそうな声。焦点の定まらない瞳で受け取った彼の表情もそんな感じ。ただ……乱れているあたしをじっくり眼で味わってるみたい。楽しそうな瞳の奥に見え隠れする欲望に支配されてしまう。心も、身体も。

 そう、指だけじゃなく、奴の瞳に、声にさえあたしは犯されてた。

 声を出す余裕もなく、身体がビクンと痙攣したようになる。
「ぅあ……あ……」
 声が出たのはそれから。巨大な弾丸が体内を通り抜けていくのにも似た烈しい快楽に、一瞬頭が真っ白になった。
「イッた?」
「たぶん」
 でも、達樹はあたしが呼吸を整える暇さえ与えてくれない。
「お前濡れすぎ。ちょっと拭いたほういいんじゃない?」
 相変わらず、あたしとの行為を楽しんでいるような様子であたしの膝を大きく割った。もちろん隠すものもないあたしのそこは、達樹にはしっかり見えてしまっているわけで。
「ちょ、拭くって……やぁっ、あ!!」
 普通に拭くもんだと思ってたら、明らかに布や紙とは違う柔らかいぬるりとしたものがそこを通った感じがした。ちゅ、ぴちゃって聞くに堪えないあの音がする。達樹のことだ、わざと音立ててあたしを恥ずかしがらせるつもりなんだろう。
 やだ、そんなふうに音たてないで……って思うのに、身体はどんどん溢れてきて言うこと聞いてくれないし、あ のゆるゆるとした気持ちよさにやがて心までもひきずられる。
「ダメじゃん。いくら拭いても溢れてくるんだけど」
「それは……っ達樹が、そんなこと、する……から」
 涙目になって抵抗の素振りを見せるけど、本気でやめて欲しいわけじゃない。もちろん達樹だって女の子の扱いには慣れてるから、そのへんはわかってくれてるらしかった。
「違う、お前の体が素直すぎんの」
 舌がそこから離れたと思うと、達樹に手を差し伸べられる。
「なぁ、俺にもしてよ。俺が教えたように、さ」
 既に上を向いて硬さを増した達樹のモノに触れた。こんなに大きいものをうまく咥えられるだろうか、あたしの中に受け入れることができるだろうか、と思ってしまうほど。
 そっと舌先で触れると、それがとくん、と脈打つ。
 いつも素直じゃないというか、自分の感情やなんかを露にしたがらない達樹なのに、ココは素直に気持ちいいって言ってくれてる。
 なんか嬉しいな…そう思うともっとがんばりたくなる。
 そのまま一気に、奥まで咥え込んだ。
「――ッ!!」
 声を押し殺しても出てくる唸り声は、彼が感じている証拠。嬉しくて、彼のものに舌を絡めて小刻みに動かし、頭を上下させる。
 達樹も遠慮なく腰を使ってくるから、ホントは苦しくて仕方ない。でも喜んでもらいたいから、頑張らなきゃ。 「もういい、マジイキそ……」
 達樹に促されてあたしの責めからそれを解放すると、また形勢逆転。
 軽くくちづけあうと、達樹はこんなことを言い出したんだ。
「なぁ、前からされんのと後ろからされんの、どっち恥ずかしい?」
「なんで」
「いいから」
「……後ろ」
「なんで」
「だって……言わせるの?」
「知りたいから」
 こういう意味では達樹はある意味鬼畜だ、と思う。あたしをこうやっていじめて楽しんで。でもそれは、いじめたくなるような反応をするあたしが悪いのかもしれない。
「だって……恥ずかしいとこ全部、達樹に見えちゃうじゃない」
「ふーん……じゃあ四つんばいになって」
 え?え?え?
 一瞬彼が何を言ったのかわからなかった。
「早く。でないと無理やりするぞ?」
「え、あたしが恥ずかしいのわかってする気なんでしょ……」
「うるさい」
 うつ伏せに押し倒され、そのまま腰を高く上げられる。
「ちょ、やめて……!!」
「恥ずかしいって言うけどさ、ココすげぇかわいいよ。お前ホントに裕也とヤッてたの?」
「してたに決まって……いやぁぁぁ!!」
 いきなり達樹のモノがあたしの中に突き進んできた。指なんかとは比較にもならない圧倒的な質量があたしの中を満たす。張り裂けんばかりに。あたしは背中を仰け反らせて、痛くもないのに悲鳴を上げる。無論嫌なわけでもない。
「……大丈夫?」
 かすれ声で達樹が尋ねる。あんなふうにしといて、なんでそうやって優しくしてくれるのよ。ひどい、やっぱりこいつは悪魔だ。でも、好き。
「大丈夫、だけど……達樹の、おっきすぎるよ」
「お前のがキツすぎ。ちょっと痛い」
 言うなり始まる烈しい律動。蕩けきった粘膜を通してお互いの熱を交換し合う。
「っあ、あぁ……ん、達樹……いいよぉ……」
 自分のものとは到底思えない甘やかで切ない喘ぎ声を、達樹はどう思っているのかな。
「奈津、どこがイイ?教えてよ」
 そんなこと聞くくせに、あたしの一番いいところをちゃんとわかってて、そこを容赦なく責めてくるから性質が悪い。
「やだぁ、絶対、言わないんだからぁ」
「でも俺……素直な奈津、好き、なんだけどな……」
 あたしの背に覆いかぶさって、密着するような格好になる。両方の乳首を達樹のごつごつした指先で弾かれ、さっきより烈しい快感が襲いかかってくる。
 そんな状態で、耳元でそんなふうに低い声で囁かれて理性を保っていられるはずがない。
「あの……、ね、達樹のが、入ってるとこ……イイの……触られてるとこ全部、気持ちいいの……」
 半泣きで言うと、達樹がクスリと笑った気配がした。
「可愛い」
 突然身体を反転させられ、向かい合う格好になる。
「裕也の奴……奈津こんなに可愛いのに……」
 身体の最奥まで大きなもので抉られ、突き上げられる。苦しいから、あたしの中が精一杯それを押しとどめようとするけど、それが達樹にはすごくいいみたいで、逆効果だ。
「すげぇ締まる……どうしよ、イキそ……」
「きて、このまま」
 彼の動きがもっと激しくなる。加速していく。それに引きずられるようにあたしも上り詰めて。
「あっ、んは……ぁ、達樹……あたし、イク……」
「まだ怖いの?」
 そりゃ怖いに決まってる。今まで裕也としてたのはなんだったの、ってぐらい気持ちよすぎて。
 自分がどんどん乱れていってしまう恥ずかしさと、まだ味わったことのない絶頂感がないまぜになって、なにがなんだかわからなくなってしまいそう。
 それを途切れ途切れながらも素直に言うと、達樹はあたしに軽くくちづけて、快感のため僅かに歪んだ微笑を見せると、
「いいよ。イッて……」
 それでもう、理性なんて吹っ飛んだ。
 なりふりかまわず達樹の腰に脚を絡ませ、もっと深く繋がれるように腰を揺らめかす。出せる限りの声で快感を昇華させようとするけれど、やっぱり、勝てなくて。
「も……イッちゃうよぉ……」
 枯れてしまった力のない声で、終わりが近いことを訴える。
「奈津も?……俺も……もう……っ」
 その言葉であたしは先に背をのけぞらせ、声にならない声をあげて、達してしまう。
 達樹も限界みたいで、絶頂の余韻を愉しんでるあたしの中に白い粘液を勢いよく放った。その感触さえも電流みたく全身を駆け抜けていって。
 次の日まであたしは目を覚まさなかった、らしい。

「へ?」
「だから、美穂と別れたの。2年も前に」
 意外な言葉だった。
 まだ体がだるくてシーツにくるまってるあたしに、達樹が服を差し出してくれる。
「なんで」
「他に好きな男ができたんだと。俺も好きな女できたから人のこと言えないけど」
「それ先に言ってよ」
 やっぱりまだ起きられない。体が言うことをきかない。
「言えるか馬鹿」
 いつもと似たような会話、でも何かが違う。

 もう、あとにはひけなかった。




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 4年ぐらい前の文章なので文体とか違いますが……。
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